先日のパーティーで、隣合った若い方。
とても素敵に着物を着こなしています。
「お着物、いつも着ているんですか?着慣れている感じですね。」
そう声をかけてもらえて、なんだか上機嫌の私です。
(一応、着物を生業としているので、「着慣れている」は嬉しい。)
「ありがとうございます^^。着付け教室で習ってから、忘れないように定期的に着てます。忘れちゃったら、学費がもったいないですし~。」
などと答えると、素敵な着こなしの彼女はひと言。
「私、着付けはYouTube(無料動画閲覧サイト)で覚えたんです。」
なるほど!!!
今の若い方は、着付けもインターネットで覚えるのか!
着付け教室は必要か
うん十万円かけて教室へ通った私。
今後絶対に使わないであろう小物(花嫁衣装にしか使わない)を購入したり、
協会に会費を払ったり。
教室で出会った仲間との交流や、幅広い着物の知識を学べたことは、決して無駄ではありません。
だから、払ったお金に悔いはありません。
とても楽しい時間を持つことができました。
しかし、独学で学ぶという方法を考えたこともありませんでした。
自分でも気が付かないうちに、着物の着付けとは
茶道や華道と同じく、誰かに師事して習うものだと認識していたようです。
母も着付け教室へ通って、師範として活躍していたので、
その影響も大きいのでしょう。
インターネットの無料動画サイトで、独学で着付けを習得した彼女。
着物の学校風に言えば、彼女は「上手に」あるいは「正しく」着物を着ていました。
インターネットで着物を買う
インターネットで何でも手に入る時代です。
着物も、例外ではありません。
お手軽なお値段で、家に居ながらにして着物を購入することができます。
当然、守りたい技術や伝統はあります。
大学で着物の染織を学ぶ機会がありました。
「絞り染」の体験をしたのですが、この気の遠くなるような手間を考えると、絞り染めの着物の価格は安すぎると感じたものです。
更紗の工房を見学したときも、
職人さんの手により出来上がっていく工程を目の当たりにすると、どんな値段でも欲しくなります。
本物を手に入れたい。
伝統技法による手仕事、手間ひままで、丸ごと装いたい。
それでも、一着何百万円もする着物は、慎ましく暮らす庶民(私のことです)にとっては手が届きにくいのも事実です。
入口は広い方がいい
住宅設備や生活様式、日本人の体型までもが50年前とは大きく変わっています。
着物を取り巻く環境も、変わって当然です。
守りたい技術や伝統はあります。
でも、着物の入り口は広い方が良いのです。
着物人口のすそ野を広げるために、インターネットは不可欠です。
一旦、着物の世界に足を踏み入れたら、より良いもの(ホンモノ)に心動かされるに決まっています。
どんと構えていれば、自然に着物に興味がわくこともあると思います。
きっかけはインターネットで全く構いません。
着物が次の世代にも愛されますように。
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