根付は、主に男性がつけるものでした。
小物類を帯に挟んで引っ掛けるためのストッパーのような役割です。
道具を持ち歩くための道具ですが、せっかくならオシャレな物を身に着けたいですよね。
年代物の根付をみると、どれも丸型で帯に挟みやすい形状になっています。
富裕層は、象牙や蒔絵を使用して、贅を尽くしていたようです。
一方女性が使用する根付は、必ずしも丸型ではありません。
帯が太いので、道具は帯の中に仕舞うことができます。
帯に引っ掛ける必要がないので、平べったくても機能します。
道具(例えばがま口や懐中時計、スマートフォンなど)を帯の中に仕舞った場合、根付を付けておくと取り出しやすいので便利です。
アクセサリー感覚で付け替えても素敵ですね。
道具がなくても、根付の紐の先にヘアピンなどを付ければ代用できます。
お手持ちのアイテムでも、帯まわりをにぎやかにすることができますよ。
帯留めだと、着付けの前に帯締めに仕込ませるなどの準備が必要ですが、
根付は帯に挟むだけなので取り入れやすいと思います。
季節感を取り入れたり、着物と反対色でアクセントにしたり、
モチーフで物語を作ったり。
ぜひ取り入れてみてください。
根付(概要)
ポケットの無い男性用の着物で袋や印籠等を持ち歩く場合に、袋や印籠などに付けられた紐の他方の端に取付け、紐を帯の下に挟み、根付を帯の上方に出す事によって引っ掛って袋や印籠などが落ちないようにする目的で用いられた。大きさは数cmから、小さいものは1cm位のものもある。材質は黄楊、一位、黒檀等の堅い木や、象牙などが多い。
江戸初期は簡素なものが多く、時代と共に実用性と共に装飾性も重視されるようになり、江戸時代後期に入って爆発的に流行した。この頃になると細かい彫刻が施されるようになり、根付自体が美術品として収集の対象となった。
明治時代に入ると、海外から高い評価を得て主に輸出用に生産されるようになった。この頃になると実用性は薄れ、穴の空いた小型の精緻な彫刻としてより認知されるようになる。
大正、昭和を経て一時衰退に向かった。平成に入って様々な分野から技術者・多種多様な素材が参入、現代根付として再び動きが活発になりつつある。
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