きもの学2015のシリーズも最終回です。
今日は、本場大島紬の織本でいらっしゃる重田茂和さんのお話しを中心に記したいと思います。
以前働いていた職場に、奄美大島出身の男性がいたのですが、
重田さんとその男性の顔がそっくりで驚きました。
方言を使うわけではありませんが、発音も似ていて。
周りを包み込むような優しい雰囲気も、そっくりでした。
奄美大島の大自然で育てば、必然的に身につくものなのかもしれません。
ちなみに、重田さんは出身は奄美大島ですが、2歳のときにご両親とともに鹿児島本島へ渡ったそうです。
奄美大島DNAなのでしょう。
お父様が織本をはじめて、重田さんは2代目です。
伝統的工芸品
いまの大島紬の形ができたのは明治40年以降です。
昭和51年には98万反あまりの生産高を誇るまでになりましたが、バブル崩壊や生活スタイルの変化による着物離れで
生産数は最盛期の1割以下になってしまいました。
最盛期には、韓国にまで製造技術が拡散し、韓国産大島紬も出現しました。
製造工程は全く一緒なので、私には韓国産と日本産の違いがわかりません。。
(わかる人にはわかるのかも。)
比較的安価な値段で売っているようです。
重田さんは伝統を継承していくために、様々な取り組みをしています。
facebookなどを利用して、大島紬や、他の伝統工芸品の紹介をしたり
後継者育成のための活動をしています。
いまの暮らしに合ったものと、受け継がれる伝統のバランスが整えば
ずっと受け入れられていくと思います。
買っちゃった。
90分間、ずっと大島紬の話を聴いていて、このブログでも紹介するために
様々な資料で勉強しました。
欲しくなりますよね?!
リサイクルショップで、私の身長と裄にぴったり合った大島紬のアンサンブルを発見。
しかも15,000円。
買いました。
大島紬にもランクがあり、目が細かい方が高価です。
マルキという単位で、
5マルキ、7マルキ、9マルキ、12マルキ(ほとんどない)の種類があります。
経糸と緯糸を合わせることで柄を表現しますが、
緯糸のみで絣模様を表現する技法もあり、横双と呼びます。
横双の方が、簡易なので安価です。
私が買ったのは横双。
菊の柄がかわいい!
菊は秋の花ですが、一年中着ることができる便利な柄です。
↓
全日本きもの振興会が監修している『きものの文様』(世界文化社)より
「中国から伝えられた菊は、長寿を象徴する代表的な植物。秋の花として愛でられるようになったのは、重陽の節句が日本の文化に根付いた平安時代からのこと。文様としては、菊の花や葉を写実的にデザインしたもののほか、菱形や丸と組み合わせたものなど多種多用。秋の花とされていますが、季節を問わずに用いることができます。」
何を着てもいいよね、と常々思っているのですが、
権威のある人や団体からお墨付きをもらうと安心です。
一年中着たいと思います。
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