お客様から、着物の預かりについてのお問い合わせがありました。
ご家族の事情があり、今は着物を着ることができないため、預けたいとのこと。
介護や子育て、自身の健康問題。
長い人生では、自分を着飾るのは後回しにせざるを得ない時期があります。
着物は、時間や心に余裕がないと着れないものですよね。
身支度の順序なども考えておかなければなりません。
着物を着てから、髪を結うのは大変です。着付け前にヘアセットは済ませます。
食器洗いなどの家事も済ませておかないと、着物ではなかなか捗りません。
頭の中で、効率よく順番を組み立てる。
この作業が、なにか生活に問題や悩みを抱えているときはうまくいきません。
あわてると失敗する
着付けに思いのほか手間取ることもあります。
お太鼓にうまく柄が出ない、おはしょりがグチャグチャになった。。など。
そろそろ出発の時間だ、という時に思い当たるのです。
「しまった!歯を磨いてない!!」
毎日磨いてるから、今日はいいか。という訳にはいかないのが歯磨きです。
あわてて、でも汚さないように慎重に。
イライラしながら歯を磨いて、
「雲行きがあやしいから、雨避けのコートも持って行こうかな。」
などと考えていると、案の定失敗します。
一度、歯磨き粉を着物につけてしまったことがありました。
着物の柄行に助けられ目立たなかったのですが、髪型や化粧を着物向けにしていたため、洋服に切り替えることも難しい状況でした。
他の着物に着替えるにしても、イチから着付けとなると心が折れます。
大人ですが、泣きそうになりました。。
順序立てたつもりでも、こんなハプニングも起こります。
大好きな着物を今は着ることができない。
そんな時期もあります。いつでも再開できるのです。今はお休みの時期です。
どんなに環境が整っていても、着付けに失敗してしまうこともあります。
好きで着ているのに、自分にいら立つこともあります。
いつでも万全!とはいかないものですよね。
着物を着ることが、修行のように思える日もあるのでした。
コメント